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2019.04.21

皮垂(スキンタグ)の切除・術後の経過

以前、皮垂(スキンタグ)の治療、手術についてお話しました。その最後で、「皮垂の切除や術後の経過などをお話したいと思います。」と締めくくって、まだその続きをお話していませんでした。今日はその続きをお話します。

皮垂は肛門にできる皮膚のシワのことを言いますが、内痔核(いぼ痔)が原因であったり、裂肛(切れ痔)が原因であったり、また血栓性外痔核の血栓が吸収された後皮垂が出来てしまうなど、一言に皮垂といってもその原因はさまざまであることを前回お話しました。
その原因によって手術のしかた、皮垂の切除には少しずつ違いがあります。

内痔核が原因の場合

内痔核が原因の場合は、肛門の外側の皮垂だけを切除しても具合よくなおっていきません。切除した後、傷が腫れてまた皮垂が出来てしまったりします。内痔核が原因の場合は、内痔核に対して痔核根治術をする要領で皮垂を剥離していきます。そして、少し肛門上皮、肛門の中まで皮垂を剥離して切除することが大切だと思います。どうしても肛門上皮に傷がかかるので、排便時の痛みは少しありますが、内痔核の手術ほどではありません。内痔核の手術をしても術後710日が過ぎると排便時の痛みもスッと取れてきます。内痔核の手術ではないので、動脈を結紮する場所もありませんので、痔核根治術のように術後7日目頃に起きる動脈からの出血、晩期出血はありません。

裂肛が原因の場合

裂肛が原因での皮垂を切除する場合ですが、裂肛は肛門の前後に発生します。後方が約80%、前方が約20%です。ですから裂肛が原因での皮垂も同様に前後に発生します。そこで裂肛が原因での皮垂を切除する場合、切除する傷を、真後ろ、真ん前に作ってしまうとどうしても傷の治りが悪くなってしまいます。ですから裂肛での皮垂を切除する場合は、その皮垂の位置を確認して、真正面、真後ろではなく、左右に傷をずらして皮垂を切除していくことが重要です。

血栓性外痔核が原因の場合

血栓性外痔核の場合は、その発生部位や血栓の大きさなどで皮垂の切除の範囲は変わってきます。基本は内痔核が原因での皮垂を切除するように切除していきます。ただ外痔核が原因ですから、なるべく肛門上皮に傷がかからないように切除していくことが必要かなと思います。

いずれの場合も共通していること

いずれの皮垂も、皮垂が小さいから小さな傷で、大きいから大きな傷というわけではなく、便が通ってもちゃんと治っていくような傷の大きさが必要になります。どちらかというと、大きめの傷で皮垂を切除したほうが具合よく早く治っていきます。小さい皮垂からと言って小さな傷で皮垂を切除すると、意外と直りが悪く、痛みがいつまでたってもとれなかったり、肛門上皮にかかった傷が裂肛様になって、かえって痛みが強くなったり、切除した傷が腫れたり、そのことが原因で新たに皮垂を作ってしまうことがあります。必要で最小限の傷が理想ですが、どちらかというとやや大きめに切除するのがいいと思います。また、皮垂の切除を行った場合は、傷の形を整えるという意味で、一部糸で縫合することがありますが、基本は縫合しない切りっぱなしの傷で開放創にします。

傷が治る日数

 傷の治りは傷の幅で治る日にちが決まります。以前に紹介しましたが傷の治る方程式があります。
(傷の幅Xmm×1.19)+3.6日という式で治る日にちがわかります。

皮垂を切除する際の傷の幅は、約10mm15mm程度になります。

10mmをこの式に入れると(10×1.19)+3.615
15mm
をこの式に入れると(15×1.19)+3.621
となり、手術をしてから約2週間から3週間で治っていきます。

術後の通院は、手術をした次の日、1日目は必ず傷を診せてもらっています。入浴もこの日から可能になります。また痛みがあっても入浴することで痛みはとれ、傷の治りもよくなります。次は710日後に傷を診せてもらいます。この710日間で傷が治っていく準備が整います。傷の大きさは、手術した時とほぼ同じ大きさですが、治っていくための準備が整います。これ以降加速度がついて一気に傷は小さくなり治っていきます。そこで、次の受診は2週間程度明けて傷を診せてもらっています。この時点で術後約3週間。だいたい皮垂を取った傷は治っています。この間痛みがあるなど、気になる症状がある場合は随時受診して傷の具合を診せてもらっています。肛門の病気もそうですが、手術後の経過は患者さんが一番よくわかります。痛みもなくなり、出血や浸出液などがでなくなり、症状がなくなれば傷は治っているということです。手術を行った後、患者において大切なことは、何か症状があって、心配な時は迷わず受診して、傷の治り具合を診てもらうことだと思います。

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