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2019.10.12

第74回日本大腸肛門病学会学術集会を終えて。Part1

 1011日の金曜日から1012日の土曜日まで、東京のヒルトン東京お台場で第74回日本大腸肛門病学会学術集会が開催される予定でした。
 しかしながら、台風19号の影響で11日の金曜日だけの開催となり、12日のプログラムはすべて中止となりました。私の発表は12日の金曜日でしたので発表することなく今回の学会は終了しました。12日の土曜日には、私が大学にいた頃に所属していた大腸肛門班の同窓会をする予定でしたが、残念ですがこちらも中止となってしまいました。
 今日は京都に帰ることが出来ないので、もう1泊して明日京都に帰る予定です。
 今回の台風は巨大なモンスター級の台風とのこと、被害が出ないことを願うしかありません。

 さて、今回の学会は1日だけとなりましたが、とても勉強になりました。今まで私が感じていたこと、思っていたことが正しかったんだと確信することもできました。また来週からの診療に直ぐに役立つこともありました。今回もその内容を報告したいと思います。1回では無理かなあと思いますので、2回程度に分けて報告したいと思います。

 まず最初に参加したのは「痔瘻手術治療の現在地」というビデオシンポジウムです。発表された先生方は様々なこだわりを持って痔瘻の手術をされていました。
 でもやはり痔瘻の手術は「根治性と機能温存」が大きなテーマで今後も続く永遠のテーマだと思います。ただ、痔瘻には様々な痔瘻があります。患者さん一人一人痔瘻は違い、様々に瘻管が走行しています。ですから一人一人痔瘻の走行を確認して手術をしていく必要があります。それでもなかなか難しいこともありますが、1回の手術で根治させる手術を行わなければならないと思います。スーパードクターだけが出来る痔瘻根治術でなく、だれもが標準的にできる1回で済み、括約筋を傷つけることなく原発口、原発巣を処理できる痔瘻根治術の方法が生み出されることを望むところです。

 次に参加したプログラムは「肛門病変への対応」です。
 このセクションは7題の演題がありました。その中の一つに「年齢と便秘スコアによるGoligher分類の病期間隔進行の予測」という演題がありました。やはり便秘の程度が悪い人ほど内痔核になりやすく、便秘が改善されないと内痔核が進行していきます。発表の内容では、対象の患者さんの病期間隔は第Ⅱ度(排便時に脱出するも自然に戻る)から第Ⅲ度(排便時に脱出して押し込む)までの期間は4年、第Ⅲ度から第Ⅳ度(脱出したままで戻らない)までの期間は1年と第Ⅱ度から第Ⅲ度までの期間より、第Ⅲ度から第Ⅳ度までの期間が短いという報告でした。また、年齢が若年であるほど第Ⅱ度から第Ⅲ度への期間、第Ⅲ度から第Ⅳ度への期間が短いとの報告でした。
 若い人で便秘である患者さんは、便秘を治療することが内痔核の悪化を防ぐ方法で、便秘が続くことで、早期に内痔核が悪化して手術が必要となる可能性が高くなるということでした。
 やはり内痔核の原因は排便の時の怒責の強さ時間に関係があり、それが改善されなければ進行していく。一番大切なことはいかに排便の状態を早く良くすることだと思います。
 また「嵌頓痔核の保存的加療とその問題点」という演題がありました。
 嵌頓痔核に対しての治療に関しての検討です。嵌頓痔核で受診された患者さんの治療をどうするか。血栓が詰まって脱出したままになった内痔核。直ぐに手術をして治すのか、それとも保存的に治療をして、改めて手術をするのかの問題です。

 嵌頓痔核は内痔核に血栓などが詰まって血流障害を起こし、そして脱出したままの状態になった状態です。痛みを伴ってとても辛い状態です。軟膏をつけてゆっくり押し込むともとに戻すことが出来ます。ただまた排便などお腹に力が入るとまた脱出してきます。痛みが伴い大きくなっているので、患者さん自身で戻すことが少し難しくなります。ただ脱出したままになると、さらに血流障害が出てきます。できるだけもとに戻すことが必要です。

 では渡邉医院ではどうしているかですが、嵌頓痔核になった前の内痔核の程度で治療法を決めています。患者さんへの問診で、嵌頓痔核になる前がどんな状態だったかを聞いています。排便時に出血したことはあるが、内痔核は脱出してくることはなかった第Ⅰ度の内痔核だったか、それとも排便時に内痔核が脱出して、自然に戻ったり、自分で押し込んでいた第Ⅱ度、第Ⅲ度の内痔核だったのかを聞きます。
 第Ⅰ度の内痔核でも血栓が詰まって嵌頓痔核になることがあります。でも元の状態が第Ⅰ度の内痔核ですので、消炎鎮痛剤の座薬などを使いながら保存的に治療することで良くなっていきます。
 これに対して、第Ⅱ度や第Ⅲ度の様にもともと脱出する症状がある場合はジオンによる痔核硬化療法も含む外科的治療を選択しています。やはり嵌頓痔核にならなくても第Ⅲ度以上の内痔核になりますと根治的な治療が必要です。痛みが強かったり、患者さん本人の予定や希望があればすぐに痔核根治術をすることがあります。痛みは強いが直ぐに根治的な治療ができない場合は、消炎鎮痛剤の座薬を使いながら保存的に治療をして、時期を見て痔核根治術を施行します。
 また保存的に治療することで、ジオンによる痔核硬化療法が適応できる内痔核になることもあります。嵌頓痔核に対しての早期の外科的治療、痔核根治術をするかしないかに関しては、患者さんの痛みの状態や患者さんの都合などを相談して治療を決めています。
 いずれにしても、嵌頓痔核になる前の内痔核の状態から判断することが必要だと思います。

 少し長くなたので、続きは次回に回したいと思います。

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