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2020.02.21

「周術期の疼痛管理について」-第117回近畿肛門疾患懇談会を終えてーPart3

 今回は、手術に関しての不安からくる痛みについてお話したいと思います。

 患者さんはいろんな不安を抱いて手術を受けます。手術に関しては、麻酔の痛みはどんなんだろう?、麻酔をするのにはどのくらいの時間がかかるのだろう?麻酔をしたら手術は痛くないんだろうか?もし手術中痛みが出たらどうしよう。と麻酔に関しての不安。

 手術に関しては、手術はどのくらいで終わるのだろうか?手術の後の痛みはどのくらいなんだろう?手術後どのくらい経ったら痛みがとれるんだろう?排便時の痛みはどのくらいか?耐えられる痛みなのか?どのくらい経ったら排便時の痛みは取れるんだろう?手術後出血するんだろうか?どのくらいの出血なら大丈夫なんだろうか?出血は何時になったら治まるんだろうか?また手術後また再発するのか?等々手術や麻酔に関しての不安があります。

 また手術や麻酔だけでなく、入院してから手術までの段取りはどんなんだろう。入院中や退院してからの生活はどうなるんだろう?退院してから普通の生活が送れるのだろうか?仕事はいつから出来るのだろうか?などなど、手術までの段取りや退院してからの仕事などの生活に関しての不安など、その患者さんにとっていろんな不安を抱きながらの手術になります。そんな患者さんの不安を一つ一つ解消してあげることも痛みの緩和につながっていきます。

京都/渡邉医院/肛門科の徒然筆記

 手術後の痛みを緩和するには、手術の前から始まります。入院してから手術までの段取りをしっかり話してあげることで、患者さんの頭の中にある程度の手術までのイメージが出来、心の準備ができます。また手術の前の診察の際に、麻酔の方法や麻酔にかかる時間。そして手術にかかる時間。また、術後の痛みや、その痛みをとる方法などをあらかじめ伝えておいてあげるのも術後の痛みの緩和に大切だと思います。
 渡邉医院では局所麻酔での手術手術です。麻酔の方法は表面を全周麻酔をした後、括約筋に麻酔をして十分に肛門が広がるように麻酔をします。最初の表面一周と筋肉への一周はどうしても痛みます。筋肉には何周か麻酔をしていくのですが、麻酔をしたところに麻酔をしていくので途中から痛みはなくなります。痛みがなくなってからも麻酔を続け、最初から約5分程度で麻酔は終わります。このようなことを患者さんに術前にお話します。 
 また術後局所麻酔は1時間程度で切れてきますが、この時に肛門が締まってくることも痛みの原因に繋がります。術後極端に肛門が締まってこないように、局所麻酔後に肛門鏡などを使って十分なストレッチをすることで痛みを緩和することが出来ることをお話した後で、実際の手術を行います。

 手術中は、今何をしているのか、後どのくらいで終わるのかなどを具体的な時間を患者さんに話をしながら、手術をすすめていきます。「もう少しですよ?」とお話するよりは、「後2分ぐらいです。」とか、「今内痔核の根部を糸で縛っています。その後肛門の中の傷を4針縫ったら終わりますよ。」とか、「内痔核は取れました。後は便が通っても治りやすい傷の形をしているか、出血が無いかを確認して終わりますよ。」と言った具合に、具体的に患者さんにお話したほうがいいと思います。

 手術が終わったら、その後の経過や段取りをお話します。例えば「出血が無いのを確認してから手術を終えました。ただ術後、血がにじんでくることがあります。
 まずは1時間したら看護師さんが傷からの出血が無いかを診に行きます。そして3時間たったら今度は私が傷の具合を診ます。3時間後に私が診た時に出血が無ければ麻酔をしなければならないような出血はしません。」など患者さんの不安である術後の出血について話します。また痛みに関しては、「看護師さんが1時間後に傷の具合を診に行ったときに、痛み止めの薬を持っていきます。痛みがあっても無くても飲んで下さい。」とお話します。

 術後3時間後に私が傷を診るのですが、その時は出血のこと、痛みのこと、排便のことの三つのことをお話します。
 出血に関しては内痔核では「出血は大丈夫です。術後3時間までにもう一度麻酔をして止めなければならない出血が起きているので、3時間たって傷を診るようにしています。今、出血が無ければ出血は大丈夫ですよ。」と。
 また痛みに関しては、「局所麻酔の手術なので、麻酔はもって1時間。3時間たっているので完全に麻酔が切れて今の痛みです。」3時間後に消炎鎮痛剤の座薬を挿入するのですが、「痛み止めの座薬は痛みがあっても無くても座薬を入れます。消炎鎮痛剤なので、今ある痛みをとるだけでなく、傷の炎症や腫れを取ってくれます。飲む方の痛み止めも同じです。痛みがあっても無くても夕食後、寝る前、明日の朝と飲んで下さいね。」と。
 また排便に関しては、「便がしたくなったら今日からしても大丈夫です。便が出てもいいように手術をしています。便がしたいのに我慢すると、傷の近くにいつも便があることになります。こちらの方が良くありません。怖いかもしれませんが、便がしたくなったら思いっきりしてください。でも慌てる必要はありません。食べたものが便になるまでゆっくりで3日間です。3日間の間に一度スッキリ出たらいいです。我慢することはありませんし、慌てることもありません。便がしたくなったらいつもの様に出して下さいね。」とお話しています。

 術後1日目には、どのように手術をしたのか、そしてどのような過程で傷が治っていくのかをお話します。
 患者さんが不安を抱く内容はだいたい共通しています。そしてその不安を感じる時期も傷の治りに沿って同じ時期に同じような不安を抱きます。
 これは手術をして入院した患者さんにアンケートを取っていますが、この間ケートの結果を見るとどんなことに不安を感じるか、またその時期はいつごろかが良くわかります。そのアンケートをふまえて排便時の痛みが取れるまでの時期などをお話します。そして、患者さんが不安を感じる前に、不安を感じるであろうことを先手先手でお話していくことで患者さんの不安を取り除いてあげることが出来ます。そして不安を取り除くことで痛みを緩和していくことが出来ます。

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