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2020.12.25

内痔核の脱出のパターンで治療法が決まる。

  先日、Twitterでもお話しましたが、「ジオンの注射で治しましょうと言われた。」といって受診された患者さんがいました。でも診察してみると、ジオンの注射では治らない、適応の無い内痔核でした。

 このジオンによる四段階注射法での痔核硬化療法(ALTA療法)の適応の有無を判断することが大切になってくるのですが、なかなかこの診断をする際に間違って診断されることもあるようです。

 ALTA療法の適応は、脱出する内痔核となっています。この脱出の診断が難しいようです。

 排便時に内痔核が脱出する際にいろんなパターンで脱出してきます。一つのパターンではありません。この内痔核の脱出が全ての患者さんが同じような状態であるのであれば、脱出してくる内痔核にすべてALTA療法を行えばいいということになります。でも決してそうではありません。いくつかパターンを挙げてALTA療法の適応があるかどうかをお話します。

 まず、このことを考えるのには肛門がどのようになっているかを知る必要があります。

 肛門の外側(肛門縁)から約23㎝ほど皮膚の部分があります。この皮膚の部分を肛門上皮と言います。そしてその奥が直腸になります。肛門上皮と直腸の境目を歯状線といいます。内痔核はこの歯状線の直上の直腸粘膜の部分にある静脈叢が鬱血した静脈瘤のことを言います。この内痔核が排便時に脱出する(肛門の外に出てくる)様になるのを第Ⅲ度の内痔核と言います。この脱出してくる内痔核がALTA療法の適応となります。

 ただ、この内痔核が脱出してくる際の脱出の仕方に色々パターンがあります。

一つ目のパターン

 一つ目は、内痔核だけが排便時に脱出しくるパターンです。

 このパターンは多くはありません。肛門上皮の部分にできるのを外痔核と言います。大抵は内痔核が脱出してくる際は外痔核成分も一緒に脱出してきます。
 この内痔核だけが脱出してくるパターンはそう多くはないのですが、このパターの内痔核にはALTA療法が良く効きます。このパターンの場合は、脱出した内痔核を診ると、肛門上皮の部分はなく、内痔核が発生する直腸の粘膜だけが脱出しています。出たり戻したりするので、粘膜は赤くなっていて出血しやすそうな内痔核になっています。ですから症状としても痛みはなく、出血が主の症状になります。

二つ目のパターン

 二つ目は直腸の粘膜の部分の内痔核の脱出が主で、肛門上皮の外痔核成分が少し一緒に脱出してくるパターンです。やはり内痔核が脱出してくるパターンは粘膜部分の内痔核だけが脱出してくるのではなく、外痔核成分と一緒に脱出してくるパターンが多いです。その外痔核成分の脱出の具合によってALTA療法の適応になるかどうかが決まってきます。
 粘膜部分の内痔核の脱出が主で外痔核成分が少ない場合も、ALTA療法の適応になります。内痔核に対して四段階で注射することで内痔核が奥に引き込まれていきます。この時に一緒に外痔核成分も肛門の中に引き込まれることで脱出してこなくなります。
 診察すると、粘膜部分の赤くなった内痔核が主で、肛門上皮の皮膚の部分が少しあるといった感じです。

三つめのパターン

 三つ目は、外痔核成分が大きな内痔核の脱出です。この場合は、外痔核成分の大きさにもよりますが、やはりALTA療法の適応ではなく、痔核根治術の適応になることが多いです。
 症状としては、出血はあまりなく、内痔核が脱出したり戻したりすることで外痔核成分の肛門上皮に傷がつくことで痛みが出ることがあります。
 この場合は、赤くなった粘膜部分よりは、肛門上皮の皮膚の部分が多いといった感じです。

四つ目のパターン

 四つ目のパターンは、外痔核成分がほとんどを占める内痔核の脱出です。
 肛門上皮の部分の腫脹が強く、内痔核部分は少ないパターンです。この場合は肛門上皮の部分の腫脹が主で、粘膜部分はあまり見られません。これを内痔核と言っていいかわかりません。この場合は肛門上皮部分の腫脹が強い外痔核といったほうがいいかと思います。
 症状としては出血はあまりなく、脱出したり戻したりすることで、肛門上皮部分に傷がつくと痛みが出てきます。この場合はALTA療法の適応はありません。痔核根治術による治療が必要となります。

 このように排便時に内痔核が脱出すると言ってもいろんなパターンがあります。

 ALTA療法の適応の有無を判断する際に最も大事なことは、肛門上皮の部分の腫脹、外痔核成分がどの程度占めているかです。外痔核成分の占めている割合が多いとALTA療法の適応ではなく、痔核根治術の適応となっていきます。

 明らかに粘膜部分の脱出が多い場合はALTA療法の適応になります。反対に外痔核成分が多い場合は痔核根治術の適応になります。
 ALTA療法か痔核根治術かを迷い判断が難しいのが粘膜部分の脱出と外痔核成分の脱出が同じ程度の場合や、粘膜部分の脱出が主だが、外痔核成分の腫脹もやや多いなあといった場合です。この時はやはりALTA療法と痔核根治術のメリット、デメリットをお話して患者さんと一緒に適応を決めていく必要があると思います。

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