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2021.04.04

「明暗」の痔瘻

 今、夏目漱石の「明暗」を読んでいます。どうしてかというと、明暗に出てくる「津田」という人が、肛門の診察を受け、痔瘻と診断され根治術が必要だといしゃから言われるシーンから「明暗」は始まるからです。

 夏目漱石も漱石日記の中に、医者の所に行き、「痔の中を開けて疎通を良くしたら五分の深さと思ったものがまだ一寸程ある、・・・・」という記事があるそうです。夏目漱石もの治療に通い、一週間程度入院したこともあったようです。「痔の中を開けて」はおそらく肛門周囲膿瘍に対して切開排膿をしたことを指すのでしょう。また深さが一寸あるというのも、一寸は約3㎝であることから、肛門の出口から23㎝ほど奥にある肛門腺が原因ということだったのだと思います。

 「明暗」冒頭に、「医者は探りを入れた後で、手術台の上から津田を下した。」とあります。そして疎通を良くするためにがりがり掻き落としてみたとあります。おそらく膿が出てくる瘻管の中をえいひ等で掻破したのだと思います。でもジオ労は瘻管の中を掻破するだけでは根本的には治りません。そこで医者は「根本的の手術を一思いに遣るより外に仕方がありませんね。」と痔瘻根治術を進めたということです。読んでみると今と昔、手術の基本は同じです。切開して瘻管を開放創にする、そういった手術を説明しています。術後については、「すると天然自然割かれた面の両側が癒着して来ますから、まあ本式に癒るようになるんです。」と。切開した開放創が自然に肉が盛り上がり治癒していくということを話していることになります。

 痔瘻の手術も随分進んできています。でも内痔核の治療と違って、基本的なところは今も昔も変わりません。原発口と原発巣を瘻管を含めて摘出したり、開放創にするのが痔瘻の根治術になります。まだまだ痔瘻の治療は変わっていく部分は多いと思います。

 さて、話の続きに津田が「もし結核性のものだとすると、・・・」というところがあります。痔瘻と結核?と思われる方もいると思います。昔は、肛門周囲膿瘍やそこからの痔瘻の原因に腸結核が原因で起きることがありました。現在も結核に罹患される方はいますが、痔瘻の原因になることはまずありません。今は大腸菌などの腸内細菌が原因となります。

 昔は結核が基礎にある痔瘻は治りにくかったのだと思います。現在、痔瘻で問題となるのは、潰瘍性大腸炎や特にクローン病などの炎症性腸疾患による痔瘻が難治性で問題になります。クローン病では、本来の肛門腺の感染で起きる肛門周囲膿瘍から痔瘻に移行することもありますが、クローンによる直腸の潰瘍などによってそこからの膿瘍形成から痔瘻になる場合があります。ですから、痔瘻となる原発口や原発巣を処置することが難しかったり、痔瘻の手術をすることが体に侵襲をあたえ、もとにあるクローン病や潰瘍性大腸炎の状態が悪くなったりすることがあります。こういった炎症性腸疾患などを基礎に持つ患者さんの痔瘻の手術に関してはクローン病や潰瘍性大腸炎の状態が落ち着いていて、しかも手術に関してもできるだけ体に侵襲のない方法で行う必要があります。

 さて、「明暗」が書かれたころの痔瘻の診察や治療も興味ありますが、未完結の小説読み切ろうと思います。

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