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2018.02.07

ALTA療法施行に際しての痛みの検討(第66回日本大腸肛門病学会)

今回はALTA療法(ジオンによる四段階注射法による痔核硬化療法)を行った際に痛みを感じることがあります。
痔核硬化療法は痛みの感じない内痔核に硬化剤を注射する治療法です。ですから、痔核硬化療法を行う場合は、どんな硬化剤を使っても痛みを感じないことが原則です。ただ、ALTA療法を施行した際に痛みを感じることがあり、今回はこのALTA療法施行時の痛みに関して検討しました。
 その内容を紹介します。
 「ALTA療法施行時に際しての痛みの検討」に関して。
発表内容

 内痔核に対して、適応を見極めることでALTA療法でも根治的な治療が可能になりました。しかし、ALTA療法を施行する際に不適切な部位にALTAを投与すると、痛みを伴い、副作用を生じることがあります。痛みを伴わないように施行することが重要です。
 今回、ALTA療法の施行時及び、施行後の痛みに関して検討しました。
 平成186月から平成227月までにALTA療法を施行した687例、男性489例、女性198例、平均年齢56.6歳を対象としました。
 ALTA療法は、全例左側臥位で、1%塩酸プロカインによる局所麻酔下に施行しました。
 方法はALTA療法施行時、及び施行後の痛みに対して診察と問診による聞き取りと、患者アンケート調査での痛みをそれぞれ検討しました。
 診察問診では、痛みの程度を「痛くない」、「少し痛い」、「痛い」、「すごく痛い」の四段階で、 また患者アンケートでは「全く痛くない」を0%、「痛い」を100%としてA~D群の四段階に分けて検討しました。
 まず、診察問診による痛みですが、ALTA療法施行時の痛みは、「痛くない」が96.1%、で1時間後では56%、3時間後では74.8%でした。
 1時間後に消炎鎮痛剤の内服は44.5%、3時間後に消炎鎮痛剤の坐薬を使用したのは3.5%でした。翌日にも消炎鎮痛剤の坐薬を使用したのは0.4%でした。
 1時間後に何らかの痛みを認めたのは44%ありますが、この原因の一つには、局所麻酔がきれていく際の肛門の収縮も一因になるのではないかと思います。
 また、3時間後の痛みは、局所麻酔を施行する際に何回も穿刺するので、この痛みもあるのではないかと思います。
 消炎鎮痛剤の投与まで必要だった症例は3時間後で3.5%、翌日で0.4%でしたが、この原因としてはALTAが投与する際に一部が歯状線を越えて肛門側まで拡散したり、粘膜下層を超えて拡散した可能性もあると考えます。
 痛みに関するアンケートの結果です。アンケート回答数は366人、53.3%、男性262人、女性104人、平均年齢59.5歳でした。痛みの程度を0%から100%までを、A群からD群までの4段階に分けて検討しました。
 アンケートの結果ですが、ALTA療法施行中の痛みは、B群以上が60%、施行後の痛みもB群以上は52.1%でした。
 排便時の痛みもB群以上は23.2%ありました。ALTA療法施行後の排便時の痛みが消失した期間は2.3日でした。
 診察、問診による痛みと、患者アンケートでの痛みの程度をみてみると、ALTA療法施行時の痛みに関しては、診察、問診では「痛くない」が96.1%であるのに対して、アンケートではA群が40.0%とかなりの痛みに関する結果の乖離がみられます。
 ALTA施行後の痛みに関しても診察、問診では1時間後、3時間後で「痛くない」がそれぞれ56%、74.8%であるのに対して、アンケートではA群は47.9%と施行後の痛みにかんしてもそれぞれの間でかなりの乖離を認めます。
  この痛みの程度の乖離の要因はなんであるかはなかなか難しい問題だと思います。診察、問診での痛みは、実際は痛かったのに痛くないと患者側が答えているのか?またアンケートでの痛みの中には、ALTA療法を施行中、施行後の違和感なども含まれているのか今後の検討は必要と思います。会場の先生方のご意見がいただければと思います。
 ALTA療法を施行するにあたって極力副作用を出さないように施行していかなければなりません。特にALTAを局注する際の痛みに関しては注意していかなければなりません。
 医師や看護師の診察や問診での痛みと、実際に感じている患者の痛みには乖離がある事を十分に認識してALTA療法を施行し経過を診ていく必要があると考えます。

抄録も紹介します。

Goligher分類のⅢ度以上の内痔核に対しても、適応をしっかり見極めることで、硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸注射液(以下ALTA)による四段階注射法による痔核硬化療法(以下ALTA療法)でも根治的な治療が可能になった。
 ただ、ALTA療法を施行する際に副作用もあり、その対策が重要となる。特に痔核硬化療法を施行する際には、筋層にALTAを投与すると痛みを伴い、副作用を生じることがある。痛みを伴わないように施行することが重要となる。
 今回、我々は、ALTA療法施行時及び施行後の痛みに関して検討した。対象:H18年6月~H22年7月までにALTA療法を施行した687例、男性489例、女性198例、平均年齢56.6歳を対象とした。ALTA療法は左側臥で、全例1%塩酸プロカインによる局所麻酔下に四段階注射法を遵守して施行した。
 方法:ALTA療法施行時及び施行後の痛みに関して、診察及び問診による聞き取りと、患者アンケート調査での痛みをそれぞれ比較検討した。アンケート回答数は366人(53.3%)で、男性262人、女性104人、平均年齢59.5歳であった。診察・問診では「痛くない」、「少し痛い」、「痛い」、「すごく痛む」の四段階で検討し、アンケート調査では痛みの程度をA群~D群の4群に分けて検討した。また、消炎鎮痛剤の投与状況についても検討した。
 結果:診察・問診での痛みに関しては、ALTA施行時、1時間後、3時間後は「痛くない」96.1%、56.0%、74.8%「少し痛い」3.6%、26.2%、22.7%、「痛い」0.3%、17.5%、2.5%、「すごく痛む」0%、0.3%、0%であった。アンケートではALTA施行時、施行後の痛みはA群40.0%、47.9%、B群43.8%、34.0%、C群1.7%、6.4%、D群14.5%、11.7%であった。ALTA療法施行後1時間後に消炎鎮痛剤の内服は306例44.5%、3時間後に消炎鎮痛剤坐薬挿入24例3.5%、翌日坐薬使用は3例0.4%であった。
 まとめ:痔核硬化療法を施行する際、筋層まで投与することで、疼痛が生じ、直腸潰瘍等の合併症の原因となる。したがって、痛みを伴わずに痔核硬化療法を施行する必要がある。今回、ALTA施行時、施行後に診察・問診及びアンケートで何らかの痛みを認めた症例があり、ALTA療法は、四段階注射法を遵守し、経過を通じ常に疼痛に関しては十分注意することが重要である。

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