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2022.07.07

造血幹細胞採取

 台風が過ぎていい天気にはなりましたが、と絵も暑い日が続くのでしょうね。熱中症になって体調を崩されている人も多いようです。水分はしっかり摂って、やはりエアコンはしっかり使って熱中症から自分の命を守っていきましょうね。

 写真は病室の窓から見える右大文字山です。今年は五山の送り火いつも通りに行われるのでしょか?
 ひょっとすると、私はここから五山の送り火、右大文字を見ることになるのかなあと思っています。

 さて、今回はこれから私が臨む「造血幹細胞採取」に関して少しお話ししたいと思います。あまり関係のない方が多いと思いますが、参考にして下さい。

 私は、5クールの抗がん剤投与によって、下垂体近傍にあった悪性リンパ腫による腫瘍は、造影MRI上では消失し、「完全寛解」状態になりました。

 今回、入院して治療しているのは、寛解後、もし残存するがん細胞があればそれを叩く、言ってみればとどめを刺す治療、「地固療法」を行うのと、その時に副作用として出る骨髄抑制を利用して、最終的目標である、「完治」に向けた自家血幹移植の際に使用する末梢血幹細胞の採取という二つの目的で入院治療しています。

 地固療法で持ちいたのがキロサイドです。大量のキロサイドとは中枢に移行する量のキロサイドと言うことです。この抗がん剤投与を630日、71日の2日間にわたって投与しました。そして今、造血幹細胞の採取のタイミングを計っているところです。

 造血幹細胞は、骨髄が抑制され最低値になった後、回復する際に末梢血内に漏れ出てきます。この漏れ出た造血幹細胞を採取します。
 その時に白血球を増やすお薬がG-CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子製剤)です。
 白血球を増やす際に造血幹細胞も増えます。これを採取します。
 造血細胞移植ガイドラインー造血幹細胞採取(第2版)によると、今回のように化学療法後の造血回復期にG-CSFを投与する場合、化学療法終了後、少なくとも24時間以降からG-CSFを投与することになっています。私はキロサイド投与後3日後から連日投与しています。
 そして造血幹細胞を採取する時期でが、二つの場合があります。
 一つは、末梢血のCD34陽性細胞数が20/μLを超えるとき。
もう一つは、白血球数が5000/μLを超えて、かつ血小板が75000/μLを超えた時です。

 まだまだ私は骨髄抑制が来る途中です。76日の時点で、白血球数が3800/μL.血小板が107000/μLです。白血球数の3800/μLG-CSFを投与してでの値です。血小板が107000/μLと減少しているので、骨髄抑制は来ているはずです。これから一旦最低値になり、そこから回復して白血球数、血小板数が造血幹細胞の採取基準に当てはまる時期に採取が必要となります。今のところ、714日、15日の2日間で採取する予定です。

 さて、自家血幹移植に必要な造血幹細胞の数ですが、採取の目標は2×106乗個です。そうすると74㎏の場合、148×10の六乗個、14800万個必要と言うことになります。
 今回の1クールで必要な量が取れない場合は、地固療法の2クール目で同様の治療をすることになります。

 さて、造血幹細胞を採取することをアフェレーシスと言うそうです。
 この際、透析の要領で採取していきます。
 造血幹細胞を採取する際は「血球成分分離装置」を用います。体から血液を取り出し(脱血)血球成分分離装置を通して、それ以外の血液はもう一度体に戻します。(返血)この脱血、返血のための血管ルートが必要になります。採取する血管は太い血管を確保します。十分な太さの血管でないと、脱血不良を起こしてしまい、時間がかかるだけでなく、十分な造血幹細胞を採取することができなくなってします。

 採取のために推奨されている穿刺部位は肘静脈、肘のところの静脈です。どうしても血管を確保できない場合は、大腿静脈を使うこともあります。経静脈や鎖骨下静脈からの穿刺は、穿刺のリスクもあるため避けるようにしています。さて、脱血用と返血用の2本のルートが必用なので、造血幹細胞を採取している間は両手を使うことができません。約34時間かけて採取していきます。

 さてアフェレーシスを行うにあたっての有害事象があります
 一つは、採取中に血液が固まらないように抗凝固剤を使います。ACD液と言うのを使いますが、この中に含まれているクエン酸によるクエン酸中毒があります。ただ、これに関してはグルコン酸カルシウムによってカルシウム駅の持続注入することでほとんどが予防できます。
 もう一つが、血管迷走神経反射です。徐脈になることもあり、採取中は心電図モニターなどを装着して管理する必要があります。
 最後に、アフェレーシスによる血小板の減少があります。
 こういった有害事象に気を付けながら造血幹細胞を採取していきます。

 さて最後に、造血幹細胞の採取の目標です。
 自家血幹細胞移植に必要な造血幹細胞数は、2×106乗/kgのCD34陽性細胞です。
 74㎏とすれば146×106乗個、14800万個の造血幹細胞が必要となります。
 1回の採取で十分な量を採取できることもありますが、今回私は2日間に分けて2回採取します。もしこの2回でも十分な造血幹細胞が採取できない場合は、次の2クール目の地固療法の時に採取します。できれば今回1回で十分な造血幹細胞が採取できればいいなあと思っています。

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