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2022.09.01

便秘ネットフォーラム「高齢者便秘症、どう考えてどう治すか」に参加して

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 今回は、91日に開催された便秘ネットフォーラムにWEBで参加したのですが、その内容を紹介したいと思います。

 便秘に関しては、これまでもブログ等でお話ししてきました。大まかな点は変わりありません。今回は便秘ネットフォーラムに参加して興味深かったことをお話しします。

 今回の便秘ネットフォーラムのテーマは「高齢者便秘症、どう考えどう治す」というテーマでした。

 まず、一番大切なことは、高齢者の便秘は全身の便秘であることを強調されていました。やはり年齢がいくにしたがって長年体を使っているので、神経が弱ってきたり、筋肉が弱ってきたりします。そういった年齢的なことに加えて、高齢になるにしたがって様々な病気が出てきます。そういった病気が重なることによって便秘になったり、またそれらを治すために様々な薬を内服します。こういった薬の影響でも便秘になります。高齢者の便秘はこういった複合的な要素があります。

 そして、慢性便秘は生命予後にも強く関係するようです。特に心筋梗塞や脳梗塞などの心血管系の疾患が原因になります。特に便が硬くて、排便時の頑張りが強いと血圧が高くなります。

 また、認知症の患者さんが慢性便秘になると、それが原因でBPSDといって、認知症の患者さんが興奮したり落ち着きなく歩き回ったりと言った不穏症状を引き起こしたり悪化させたりします。またそのことがさらに便秘を悪化させ悪循環に至ります。

 さて、高齢者の方の慢性便秘の原因には3つあるとのことです。一つ目は、大腸の運動性の低下。蠕動運動が弱くなる。二つ目が直腸機能障害。直腸は便が直腸に来た時その圧に敏感に反応します。その直腸の知覚の鈍麻。三つ目は便の水分量が減少して硬くなる。こういった原因が多いこと。また、続発性の便秘も多く、大腸がんなどの器質性の便秘。様々な病気、例えば糖尿病等の病気が複合的に重なり合っての便秘。その病気を治すために内服している薬が原因の薬剤性の便秘などもあります。ですから高齢者の慢性便秘は全身の便秘とお話しされたんだと思います。

 ただ、いずれの原因の便秘に関しても、便を柔らかくする、ちょうどよい便の硬さにすることが大切です。そのためにも大腸を刺激して無理やり出す大腸刺激性の下剤よりは、便の中に十分な水分を残してくれる下剤が推奨されています。ちょうどよい硬さの便にすることで、大腸の中の便の移動性が良くなります。下痢では大腸を逆流して、かえって出ないことがあります。ですから便の形状と便の大腸の通過状態には強い関連性があるとのことでした。

 さて、便を柔らかくする下剤の代表的なものに酸化マグネシウムがあります。演者によると、江戸時代から使われていたとのことです。ただ、高齢者や腎機能の悪い方に使うことで高マグネシウム血症になることがあり、使用には注意が必要とのことでした。

 こういった場合に使われるのがルビプロストン(アミティーザ)やリナクロチド(リンゼス)、エロビキシバット(グーフィス)、ポリエチレングリコール(マクロゴール)などがあります。

 センナなどの大腸を刺激する下剤は、頓服で使う薬で長期に内服する下剤ではありません。長期間の服用で、難治性の頑固な便秘になってしまいます。

 また、漢方薬では大建中湯が大黄センナが入ってなく、粘膜血流量を増やし、炎症や大腸の知覚障害を改善することで有効とのことでした。

 さて自分の便秘の原因は何かと言う質問をしたときの回答の中に「腸内細菌が悪い、腸内の環境が悪いから。」と回答する方が3割程度いらっしゃり、便秘を治す方法はとの質問には、「腸内細菌を良くする。腸内の環境を良くすること。」と言ったように、腸内細菌への関心が高まっているようだとのことでした。

 こういったことも踏まえ高齢者の便秘の治療に当たることが大切であるとお話しされました。

 最後に講演に対しての質問の時間があり、高齢者への下剤はどのように選択していくのかの質問には、やはり末梢で作用して、体に吸収されない非吸収性の下剤を使うとの回答。また、「便意」の有無やその程度を直接患者さんに聞いても「便意って何?」と言うことになるので、「便がしたくなって便をしたときに、どんな便がでますか?」のように患者さんに効くと「便はしたくならない。便が出るときは硬い。」などの答えが返ってくると、「便意」がないんだなあと言うことがわかるといったように、問診の仕方も工夫が必要とのことでした。

 こんな内容の講演でした。また勉強会や講演会があれば、その内容を随時報告しますね。

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